「鬼は外」だけじゃない。やさしい鬼に、いてほしい理由

「鬼」と聞くと、こわい・強い・怖がられる存在…そんなイメージが定番ですよね。
でも、実は昔から“優しい鬼”も物語の中にちゃんと登場しているんです。
たとえば有名な童話『泣いた赤おに』。
人間と仲良くなりたい赤おにのために、青おには自分を悪者にして去っていく…。
強さよりも「思いやり」と「友情」が描かれた、とてもやさしいお話です。
そして、もうひとつ。絵本『おにたのぼうし』では、小鬼のおにたが、病気のお母さんの看病をする女の子のために帽子で角を隠し、鬼である事を隠して、食事を用意してあげるんですね。
「鬼が来ると病気になる」と信じている女の子に、本当の姿を明かすことなく、静かに去っていくおにたの姿は、読む人の心にそっとあたたかさを残します。
最近ではアニメや絵本の中でも、「やさしい鬼」「人間と心を通わせる鬼」が増えてきました。
そんな中で、ふわふわの髪を持つモコニのようなキャラクターも、まさに現代の“新しい鬼”。
モコニは、泣いている子のそばにふわっとあらわれて、ただ隣で見守ってくれる。
怒ったり、おどかしたりはしません。
「鬼は外!」って豆をぶつける前に、こんな鬼がいるかもしれないって、ちょっと思い出してみてもいいかもしれません。
